ここ八雲町熊石は、「にしん漁」で栄えた北海道日本海沿岸の町のひとつです。
道南の町のなかでも漁獲量が多く「にしんの万石場所」と言われいました。
一八四五年四月、漁の最盛期に熊石を訪れた探険家「松浦武四郎」が、漁家が連立し、船の帆柱やにしんを干す竿が立ち並び、沖と岸を行き交う船の人たちのはやし声が村中に響くという活況は「真の宇宙の壮観なり」と西蝦夷日誌に記載しています。江差を過ぎての蝦夷地境界でこのような盛況を見て驚いての表現と考えられています。
熊石の地名もアイヌ語で「クマウシ」、「魚(にしん)を乾かすための竿が多いところ」と訳されています。
「にしん」は明治後半にはほとんど獲れなくなり、幻の魚となってしまいましたが、人々の生活を支え、共に歩み、独自のにしん文化を創り上げました。
当時の船や漁具、漁法、生活の様子の資料は熊石歴史記念館に展示しています。
「にしんルネサンス事業」は、にしんで栄えた北海道日本海沿岸の市町村を結び、「にしん街道」を楽しませてくれます。
松前を始点とし、北の彼方まで続く観光ルートの拠点である証として、この標柱を設置したものです。
設置日 平成十九年十二月吉日
設置者 北海道二海郡八雲町