せたな町(大成区) [地図表示]
“クドウ初鰊群来る大漁”
ここ、せたな町大成区(旧大成町)も「にしん」で栄えた町の一つであります。
天明三年(今から二二四年前)の春三月「にしん」の漁期になると、松前、江差、乙部、熊石からヤン衆が漁場の親方の家へわんさとやって来て、鰊漁の準備に入りました。
「にしん」の到来を今か今かと誰もが沖を眺めて待っており、「にしん」が到来すると、各村一斉ののろしの合図で出漁しました。各村から一斉に漁場をめがけ、舟を漕ぎ出す壮観さは、美事の一語につきました。
「にしん」の声が巷に聞こえるようになると、町では漁師目当ての居酒屋も軒を並べ、夕方ともなると芸者連中は三味の音を響かせ、夜の街の賑わいが遅くまで続きました。
「にしん」の到来は、多くの人に仕事を与え、収入も良いので町は活気に溢れ、人々の往来も繁くなりました。
日本海沿岸の松前を起点とし、連なる町々は全道を一周し、、これらが「にしん街道」で結ばれ、地域の特色ある歴史と伝統の数々を垣間見せてくれるのも楽しい限りであり、「にしん街道」の旅道中であればこそ味わえる醍醐味でもあります。
それぞれの町が、特色ある創意に満ちた標柱を設置することにより、楽しさも倍加されることでしょう。
設置月日 平成十九年十月吉日
設置者 せたな観光協会大成支部