会長あいさつ

会長 打越東亜夫

 当協議会を構成する3町は、松前藩や桜で有名な北の小京都松前町、数多くの史跡を有し北の中世を今に伝える上ノ国町、江差追分や姥神大神宮渡御祭など豊富な文化遺産を有する江差町で構成され個性豊かな3町でありますが、にしん漁とヒノキ材で繁栄した共通の歴史を有しており、これまで連携して広域観光に取り組んでまいりました。
 往時の北海道日本海沿岸市町村では、江戸時代から「ニシン」の取り引きによる北前船交易により繁栄をするとともに、共通の文化をもたらしました。
 そのニシンも大正から昭和初期にかけて漁獲がなくなり、今では姿をみることもなくなりましたが、にしん漁最盛期には多くの廻船問屋や商家、土蔵が建ち並ぶなど、蝦夷地における商業資本と上方・北陸からの文化をもたらしこれらを基調とした文化が形成され、日本海沿岸市町村には、現在もこれらを象徴する歴史的建造物や郷土芸能など、有形無形の文化財が数多く残されております。
 北海道に春を告げるにしん漁は、人々の暮らしと記憶に色濃く残され、日本海沿岸には「にしん番屋」に象徴されるよう数多くのにしん遺産が点在しており、南は松前から北は稚内まで長い「にしん街道」を形成しております。
 私たちは、それぞれ共通する文化を有する日本海沿岸の市町村をネットワークで結び、連携して新たな観光ルートの掘り起こしや、にしん文化を受け継ぎ後世に伝承することが地域振興につながるものと考えております。
 平成15年に初めて江差町で開催された「第1回にしんフォーラム」を皮切りに、松前町・上ノ国町・江差町での広域開催の他、後志管内岩内町・積丹町・島牧村・小樽市でにしんルネサンス事業が開催され、また、にしん街道標柱設置市町村も現在12町村となり、今後も多数の町村で設置が予定されており名実ともに、日本一長い街道が完成するものと期待しており、今後は、「にしん文化」を中心とした情報発信や広域観光ルートとして魅力付けが大切と思います。
 「にしんルネサンス事業」を通し、国・北海道をはじめとする産学官民のネットワークにより「にしん街道」更に大きく成長を遂げ、日本海沿岸の賑わいが再生することを期待しいたします。


 松前・上ノ国・江差3町広域観光推進協議会「北海道歴史倶楽部」
 にしんルネサンス実行委員会
 会 長  打 越 東 亜 夫

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